季節外れに暑かったり、急に寒かったり、目まぐるしい昨今
それでもやはり少しずつ温かいものが恋しい季節になってきましたね
先日、母を誘って好物のラーメンを一緒に食べてきました
自宅近くが結構なラーメン店の激戦区なのでしっかり楽しませていただいております
(※下のラーメンは、どちらも旭町の士朗商店さんのものです)
さて、今月中頃より『しぼりたて新酒』の発売が開始されます
入荷までしばらくの間お待ちください!!
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【酒の失敗談・老婆心】
金沢美術工芸大学をご存じでしょうか?
奇抜な仮装での卒業式が毎年全国ニュースで放映されるなかなかユニークな大学です。11月と言えばこの大学の学祭があります。以下は2008年11月、今から16年前「第40回目」の失敗談になります。
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自宅から徒歩圏内にある美大の学祭は、数年前に一度訪れてからすっかりはまってしまった。学部ごとのなんとも怪しげな屋台をはしごするのが楽しい。
その日は寒かった。
ふらりと入った屋台で壁に貼られたメニューの中から熱燗を注文した。相手は学生だから商売に慣れていないのは当たり前である。が、しかし、聞き耳を立てて様子を伺っているとどうやら今からストーブに火を点け、その上で鍋に張った水を沸かして熱燗するつもりらしい。湯銭での燗が一番旨いのは間違いない。だけどメニューとして揚げているなら先に湯ぐらい沸かしておくのが常識じゃないの?こういうのってスピードが勝負だろ、スピードが。
「へい、お嬢ちゃん、[カセットフー]も[チン]も無いんかい?私はさぶいのよ(寒いのよ)。そう、とってもさぶいの(寒いの)。今すぐ温かい燗酒をここに持って参れぇーーー」
そう叫んだ。(←心の中で)
こちとら大人ですからちっとぐらいは我慢するさ。だけどこの様子じゃ随分と無理そうなんで親切心からちょっと言ってみた。
「あのー、もし無理だったらいいですよぉ。」
なのに学生は、
「あっ、すぐに出来ますよ」
と、こちらを軽くあしらって鍋に水を張った。
あんたら的には一体何分までがすぐなのさ?どうでもいいけど、どの位まで水を張るのがベストかを目の前で相談するのは止めてくれ。
私は待った。友人夫婦とともにしこたま待った。たった一本の熱燗が手元に置かれるまで目が血走るほど待たされた。そして手渡された熱燗は予想通り水よりかは幾分温かかったが熱燗と言うにはおこがましいくらいぬるかった。納得できなかったのは同じ二合だというのに「ひや」よりも倍近く高かった。ストーブに火を点けるところから始まった手数料とでも言うのか?こんなにちびたい(冷たい)酒をこのワタクシに向かわせておきながら。ブヒッ。待ちに待たされた酒を一気飲みして大声で吠えた。
「ぢょっとあんたら、おばはんなめたらあかんぜよ!私だって本気になると怖いんですよ~~!!」(←勿論心の中で)
まあいい、屋台はまだ他にもある。店を変えよう。
次の屋台は結構繁盛していた。が、ここでも注文した品が出でくるまで暇なのでついつい学生たちの動きに目が行ってしまう。
「うっわ、段取り悪っ!!あ~あ、何しとれんて、それ一つずつ揚げるんかいね。いっぺんに揚げときゃいいやろ。おーい、ぼくちゃん、銀杏ひと粒ずつ数えるかな?君の公平さは認める。が、ここはカップ一杯が一人前とかにしときゃどうねんて!!」
目を吊り上げて激しく抗議してやった。(←心の中で)
ふと隣を見ると友人メグも口を尖らせて明らかにイラついていた。一体あたし達って何者?何も語らずともお互いの言いたいことが手に取るように分かって爆笑した。それでも何だかんだ言いながらやっぱり私たちは結構酔っぱらっていた。
ふっ。今年も行ってみるか。内に秘めた老婆心も今年は我慢しきれるかどうか自信はないけどね。