香り豊かな「ゆず」は日本料理の名脇役です
ゆずは柑橘類の中では最も寒さに強く、東北地方まで栽培されています。
香りが高く、日本料理にはなくてはならない名脇役です。ただ、酸味が強すぎるため、果物のように食べることはできません。果汁は料理の風味づけやポン酢の原料に、果皮は薬味や「ゆべし」、ゆず味噌、料理の器などに使われ、日本の調味用柑橘の代表と言えます。
五月に小さな白い花をつけ、夏に青い実がなり(青ゆず)、秋には黄色く色づきます(黄ゆず)。
中国の揚子江上流が原産地と言われ、日本には奈良か飛鳥時代に渡来したと推定されています。
果実の重さはおよそ130gぐらいですが、1kg以上にもなる「獅子ゆず」と呼ばれる品種もあります。ただこれは「ゆず」とは別の種であり、利用法もほとんどが観賞用です。他に近縁種として「酢だち」や「カボス」「花柚」などがあります。特に「花柚」はゆずに大変よく似ており、小ぶりではありますが風味はゆずより優れていると言う人もいます。
「桃栗三年、柿八年」の先を知っていますか?「梨のバカ野郎十六年、ゆずの大馬鹿三十年」というのだそうです。つまり、ちゃんとした実が採れるようになるまで、ゆずは三十年かかるということです。石川県で「ゆず」と言えば、輪島の「ゆべし」が有名です。思いのほか高価ですが、とても手間のかかったお菓子で、お茶にもお酒にも合うといわれています。