「菜の花」はいち早く春を告げてくれる花であり、 栄養たっぷりの野菜であり、油を採るための作物でもあります
「菜の花」は本来「あぶらな油菜」の花のみを指すものであり、「なたねあぶら菜種油」を採るために栽培された作物です。
ですが、明治時代に入り西洋種の「菜種」が入ってくるとその座を追われ、食用の野菜として出回るようになりました。
現在食品成分表では「なばな類」として「和種なばな」と「洋種なばな」が併記されています。つまり「洋種なばな」も野菜として食べられているということです。同じアブラナ科の花ならば「菜の花」であり、切花・野菜・菜種油用作物と、三つの用途が渾然としているといったところでしょうか。
野菜としての菜の花は、特有の苦味・歯ざわり・香り・姿を楽しむばかりではなく、カルシウム・鉄分・ビタミンC・カロチンなどが驚くほど多く、その他のビタミン・ミネラル類も豊富な優れた緑黄色野菜です。
また、植物の中で一番栄養があるといわれている花の部分を食べることにより、効率的に栄養を取り入れることができます。
産地ならではの食べ方で、菜の花を生のまま塩でもみ、刻んで、かつお節で和え、冷やご飯に混ぜて食べる「菜の花ご飯」がある。火を通すとせっかくの香りが逃げてしまうから生が一番とか。新鮮な菜の花が手に入ったときにはおためしあれ。