たらの芽

山菜の王様『たらの芽』は「よだれたらたら」から名づけられたといわれるほど美味です。

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たらの芽」は山菜の王様といわれていますが、じつは「たらの木」という木の若芽で2~3mもの高さの枝先に芽吹きます。木全体がとげに覆われており別名「トリトマラズ」と言われるほどですので、採るときには手袋が必要です。ですが、中にはとげのまったくないものや少ないものもあり、とげのある「オダラ」に対し「メダラ」と呼ばれています。

山菜とはいえ「たらの芽」も栽培技術が進んでおり、現在店頭に並ぶ多くのものが栽培もので、天然ものは減る傾向にあります。天然ものの刺々しさと特有の香気はまた格別のものではありますが手軽に春の味わいを楽しめるのもひとつの幸せではあります。

「たらの芽」は山菜には珍しくあくも少なく「独活」に似た香りがするといわれています。こくがありぼってりした油っこさのある「ナッツ」を思わせる味わいで、ほんのりと苦味と甘味もあり、特にてんぷらや胡麻和えなどはさすが王様といわれるおいしさです。

山菜の中でも「たらの芽」は見つけやすく、素人でも容易に採ることができます。それだけに人目につきやすい場所のたらの芽は根こそぎむしり取られていることがあります。これでは木が枯れてしまい、翌年の収穫は望めません。枝の先についた一番芽だけを採るようにして、山の恵みに感謝しましょう。山菜採りにもマナーはありますよ。

効用

ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富で高血圧や貧血・疲労回復などの効果が期待できますが、あまり量を多く食べるものではないので、春の味を楽しむという風に思うほうがよいでしょう。
ただし、たらの木の皮は糖尿病や腎臓病・胃腸病に効果があり、特に根の皮は「五加皮」と呼ばれる漢方薬でもあります。

おいしい栄養

  • 5~10cmくらいの太くてコロンとした形のものが味がよいとされています。もちろん山菜は鮮度が大事ですので、採取日や切り口などをよく見て買いましょう。
  • つけ根のはかまの部分を取り、太いものは根元に包丁で切込みを入れるとよいでしょう。
  • 天然のたらの芽は特に刺々しいのですが、これは加熱することで軟らかくなりますので食べるときには差し障りありません。
  • てんぷらや胡麻和え、胡桃和えなどのほか田楽や煮物、油炒めや酢味噌和え、白和え、お浸しなどもおいしく、マヨネーズとの相性もよいようです。
  • ゆでて刻んだたらの芽に塩または味噌を混ぜ込み、熱いご飯にぶっかけて食べたり混ぜご飯にしたものも素朴な味でおいしいという話です。
 


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