山菜の王様『たらの芽』は「よだれたらたら」から名づけられたといわれるほど美味です。
たらの芽」は山菜の王様といわれていますが、じつは「たらの木」という木の若芽で2~3mもの高さの枝先に芽吹きます。木全体がとげに覆われており別名「トリトマラズ」と言われるほどですので、採るときには手袋が必要です。ですが、中にはとげのまったくないものや少ないものもあり、とげのある「オダラ」に対し「メダラ」と呼ばれています。
山菜とはいえ「たらの芽」も栽培技術が進んでおり、現在店頭に並ぶ多くのものが栽培もので、天然ものは減る傾向にあります。天然ものの刺々しさと特有の香気はまた格別のものではありますが手軽に春の味わいを楽しめるのもひとつの幸せではあります。
「たらの芽」は山菜には珍しくあくも少なく「独活」に似た香りがするといわれています。こくがありぼってりした油っこさのある「ナッツ」を思わせる味わいで、ほんのりと苦味と甘味もあり、特にてんぷらや胡麻和えなどはさすが王様といわれるおいしさです。
山菜の中でも「たらの芽」は見つけやすく、素人でも容易に採ることができます。それだけに人目につきやすい場所のたらの芽は根こそぎむしり取られていることがあります。これでは木が枯れてしまい、翌年の収穫は望めません。枝の先についた一番芽だけを採るようにして、山の恵みに感謝しましょう。山菜採りにもマナーはありますよ。