「そら豆」は初夏の味わい、薬効もさまざま滋味豊かな食品です。
「そら豆」は北アフリカ原産で、もっとも栽培の古い豆のひとつ、4000年もの昔から作られてきました。
現在そら豆といえば、ビールの友として塩ゆでされる青々とした姿をまず思い描かれますが、これは未成熟な豆を若採りして野菜として食べる食べ方です。完熟させたものは茶色で、煮豆(おたふく豆)やフライビーンズ、甘納豆、みそ、練り飴などに加工されます。
「そら豆」の名前は空に向かって莢が付くところから「空豆」とつけられたものですが、中国では莢の形が蚕に似ているところから「蚕豆」の字が当てられます。日本でもこの字で表記される場合もありますが、地方により「夏豆」「唐豆」「大和豆」など他の呼び名もあるようです。
「そら豆」のことを「一寸豆(いっすんまめ)」と呼ぶこともありますが、これは豆の大きさが一寸(3cm)と大粒のそら豆のことを呼ぶものです。
「そら豆」は莢(さや)から出すとすぐ固くなり、味も栄養価も落ちてしまいます。買うときは必ず莢付きのものを求め、すぐに使い切りましょう。余分に手に入った時はゆでて冷凍しておきましょう。ハウス物から北海道産まで産地の違いで、年の初めから夏の終わりまで味わえますが、一番の旬は5月です!