栽培きのこの王様「椎茸」は薬効も豊かな秋の恵みです
椎茸は日本の栽培きのこの代表です。その栽培は江戸初期、1600年代に九州または伊豆の天城山で始まったといわれています。
いずれもクヌギの原木になため鉈目を入れ、自然の胞子が付着するのを待つという原始的な方法でした。
昭和の時代になり、椎茸菌を純粋培養したたねごま種駒を原木に植え込む方法が考案され、生産量は飛躍的に増大しました。
現在では上記の原木栽培のほか、おがくずを使った菌床による生産が増え、むしろこちらのほうが主流になりつつあります。
天然の椎茸はナラ類の老朽木や切り株などに生え、春と秋の2回旬があります。栽培ものでもこの時期のものはいっそう味が良いといえます。
残念ながら天然ものの椎茸の入荷はほとんどありませんが、原木栽培の椎茸は味・香りとも天然ものに比べてもほとんど遜色がないといわれています。
椎茸はかさがつぼみの時に収穫した肉厚のものを冬菇(どんこ)開いているものを香信(こうしん)と言い、その中間のものは香菇(こうこ)と呼ばれます。味・香りとも半開きまでのもののほうが良く、開ききると味も香りも薄れます。干し椎茸を戻すときは水で戻すのが良いのですが時間がかかります(完全に戻すには一昼夜)。急ぐときはぬるま湯に砂糖を一つまみ加え戻します。