金沢春菊

syungiku.jpg

「加賀野菜」「金沢春菊」は庶民派の丸葉春菊です

平成十五年に「金沢春菊」が十五番目の『加賀野菜』に認定されました。「金沢春菊」と言われてもちょっとピンとこなかったのですが、「ツマジロ」と聞くと、「ああ、そう言えばそんな菜っ葉があったな。」とやっと納得できました。「ツマジロ」はここ金沢での金沢春菊の地方名です。

syungiku.gif
私たちが普通春菊と聞くと、葉の切れ込みの深い、スマートな春菊を連想すると思います。その春菊は「中葉春菊」と言われる品種で、株立ちするものと葉が広がって生える株張り型に分かれるのですが、「金沢春菊」は大葉春菊と呼ばれる品種のものです。他に「小葉春菊」と呼ばれる品種もありますが、収量が少ないなどの理由であまり栽培されてはいないようです。

さて、大葉春菊ですが外観は葉の切れ込みが浅く、大きなぽってりとした葉で、裏に少しカールしたような形状です。中葉春菊に比べて肉厚で、「お多福菊菜」の別名からも察せられるとおり愛嬌のある庶民的な姿をしています。

昔から「ツマジロ」と呼ばれていた菜っ葉は、現在店頭に並んでいる「金沢春菊」に比べ小さかったような気がします。これは次々と生えてくる春菊を間引いて、大きな袋詰めなどにして売られていたからだと思います。この間引き菜を「ツマジロ」と呼ぶのだと言う人や、いや、中葉春菊もすべて交えた春菊自体を「ツマジロ」と呼ぶのだと言う人もいて、はっきりしません。多分そんなことを目くじら立ててはっきりさせる必要のない身近な存在だったためだと思われます。

味のほうは柔らかな食感で、葉が肉厚なぶん食べ応えがあります。香りは中葉春菊に比べて控えめで、アクもありません。これは大葉春菊に限らず、意外なことに春菊自体がアクの少ない野菜です。

栄養学的にもいろいろな成分をまんべんなく含む優れた緑黄色野菜です。特にカロテン、カリウム、カルシウム、鉄分、ビタミンCなどの含有量が多いですね。

ただ残念なことに日持ちが悪いので、買ったらすぐ食べてしまうことをお勧めします。痛むばかりではなく、栄養価もどんどん下がってしまうようです。

春菊は地中海沿岸が原産地ですが食用にしているのは日本や中国などの東アジアだけで、ヨーロッパでは花を鑑賞するための植物です。花は菊に似ていて(キク科の植物なので当たり前ですが)春の菊ということで春菊となったようです。小さめの「金沢春菊」は鍋物にぴったり。よく洗って株のまま使います。バラバラにならないし、香りも控えめなので、春菊が苦手な人も一緒に鍋を囲めます。

旬の時期

主な産地

効能

がん予防、高血圧、貧血、骨粗しょう症、美肌効果が期待できます。
さらに春菊特有の香りはα-ピネン、ベンズアルデヒドなどの精油成分。消化液の分泌を促進し、胃腸の調子を整え、消化を助けます。またこの精油成分には痰を切る作用があり、気分を落ち着かせ、アロマテラピー効果も期待できます。

金沢春菊の栽培

金沢春菊の主な産地は金沢の三馬地区や高松町のようです。

露地のトンネル栽培(畑でかまぼこのような形に作物を覆うビニールの幌のようなものを見たことがあるでしょう?あれのことらしいです。)やハウス栽培でつくられていますが、中葉春菊に比べ、収量が上がらず、耐病性も弱いため栽培管理が大変なようです。

10月から4月まで出回りますが、旬は12月から3月です。遅めの時期のもののほうが小さかったりするのは、真冬の間はハウス栽培が主で、春になると露地のトンネル栽培のものが多く出回るためでしょう。

お問い合わせはこちら 営業時間 2:00 ~ 15:00

お問い合わせフォームはこちら
076-221-1365