酒の失敗談・ご無体なお客様

新しい年の始まりは不安だらけ...

どうか、どうか、平和で希望ある一年になってゆきますように

日本人の底力を信じたい

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新年のおすすめ地酒は、12月に引き続き『しぼりたて新酒』です

あたたかか~い部屋でキンキンに冷やした『しぼりたて新酒』をお楽しみ下さい

これ以降も新酒が続々と入荷予定!お楽しみに♡

 

新年のトップのお酒は能登半島の突端、櫻田酒造さんのおめでたいお酒『大慶』から始めたいと思います

 

【酒の失敗談・ご無体なお客様】

1月6日、新しい年の仕事始め翌日のことです。

Go Toの一時停止もあって金沢の街中はひっそりとしています。

こんなにもご来店が少なくて暇であっても新年度はやるべきことが山ほどあります。

台帳類もすべて新しくしなければならないので(落ち着いて作業が出来てこれはこれで良いな)などと思っていた矢先、ご年配の女性の方がお一人で入店されました。

「萬歳楽あるけ?」

「萬歳楽の何でしょうか?」

「知らんわいね」

知らん物を欲しいと言われても、有るか無いかすらお答えできませんが。

「今、市場館の2階の店で飲んできた萬歳楽が欲しいがや」

「そのお店で萬歳楽の何というお酒を頼まれたのか覚えてませんか?」

「知らんわいね」

・・・これって途方にくれるやつです。こっちが言いたいわよ「知らんわいね」と。

「まあいいわ。この店にある一番小さいサイズの萬歳楽の中で一番安いが出して。」

で、吟醸の『菊のしずく』を冷蔵庫から出してお見せしたのです。

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(ここから長引くパターンになるんだろうなぁ)と覚悟したのですが以外にも素直に「それで良い。一回飲んでみるわ。」と言われホッとした次第です。

「包まんでいい。瓶も要らん。」

「包まなくていい」はわかるけど「瓶も要らん」とはどういうことなのでしょうか?その本意が理解できずボーっとしているとお客様ご自分のバックの中から小さなペットボトルを取り出しました。どうやらそのペットボトルに移し替えるおつもりのようです。

(でも何で?)

(瓶が邪魔ってこと?)

出された小さすぎるペットボトルを見て慌てて言いました。

「こちらのお酒は300MLですのでその中に全部入りませんよ」


「あら、ほうかいね」

 

次に出してきたのは500MLのペットボトルでしたが飲み残しの飲料が入っています。飲み残しをさっきの小さなボトルに移すとお酒をそのまま入れようとされたので、慌てて「中、ゆすぎましょう」と提案しました。ゆすぐとなにやらおかしな匂いがプンプンします。一体中身は何だったのでしょうか?

水を入れてシャカシャカしていると「そんなにきれいにしなくていいから」ともぎ取られてしまいました。そしてお客様がこうおっしゃったのです。

「この底に残った水はここに捨てていいか」

指さされた先は、当店の包装紙を入れてあるケースです。ダメに決まってます。

ふと見ると、ペットボトルにお酒を移していたはずのお客様がいきなり瓶のまま飲み始めています。つまりラッパ飲みです。

え~、えーーーーーーーー

「だってあんた、飲んでみんとわからんやろ~」

お客様、この私、何も申し上げてはいませんが、顔がそう言ったのでしょうね。

 

 

・・・そう、遠い昔にも同じようなことがありました。

カップ酒を買われた男性が「ここで立ち飲みして良いか」と聞いてきたのです。

「当店は立ち飲みはお断りしております」

それを聞くや否や床に体育座りしたお客様がカップ酒を一気飲みしたのです。確かに立って飲んではいないけど、そういう意味じゃなかった・・・。

あの時と一緒。呆気に取られている間の一気飲みです。

なんと大胆な。

そしてなんとご無体な。

 

まあ、一番心配したお代はちゃんとお支払いいただけたので良かったです。

「良かったらまた来るわいね」とのお言葉を残して去って行かれたその後ろ姿に(また来なくてよいです)と念じた私です。

 

ご無体なお客様のご来店で新年早々なにやら不穏な空気満載の幕開けとなりました。

どうかどうか少しでもこの一年が良き年になりますように・・・・・・・。