酒の失敗談・「かやらんや、かやらんや」

「かやらんや、かやらんや」

スキー場に向かう車中で急ブレーキに全員がつんのめった時、最近すっかり耳にしなくなったこの金沢弁を口にしたのはまだ未就学児(友人の息子)でした。

オールドな金沢人は【ひっくり返る(転ぶ)】ことを【かやる】と言います。
「かやらんや、かやらんや」を標準語に直すと「ひっくり返るじゃないか、ひっくり返るじゃないか」って感じですかね。

これってうちらのじーちゃんばーちゃん世代の金沢弁でして、それを幼子の口から聞かされた我々は『おったまげ』、その笑いで悶絶しました。
さすが三世代同居、しかも4人兄妹の大家族で育った兵(つわもの)です。

あれから随分と時が経った今でも思い出すと笑いが込み上げてきます。
この話をふと思い出して姉に聞かせると、プルプルと震えながら笑い続けていました。

私の周りには酒をよ~け(沢山)飲んで【かやる】人物が2名います。

友人N子とウチのダンナです。この二人には背もたれ無しの椅子は危険すぎて向かわすことが出来ません。真後ろにぶっ倒れる確率ほぼ10割なので、宴が始まる前に彼らには背もたれ付きの椅子があてがわれます。

以前この失敗談に載せた話になりますが、[N子]と[姉]と[私]という不思議なメンバーで飲みに行ったことがあります。
いつもならN子には椅子の配慮があったはずですが、その店には背もたれつきの椅子が存在しませんでした。肩と肩が触れ合うカウンターだけのコンパクトな店で真後ろにぶっ倒れようたってそれはかなわぬ事に思えました。

あの日をしみじみと思い返してみるのですが、どうしてもどうしても理解不能な出来事がそのときに起こったんです。
「あ~あ~あ~」とターザンのように叫んでN子が真後ろにぶっ飛んでいったのは道路でした。
そう、閉まっていたはずの店の戸口からぶっ飛んでいってすっ転がっていたのが道路の真ん中だったんです。

What happened?(一体何が起こったの?)

『溺れる者は藁をも掴む』とはよく言ったものです。
道路にちんぶり返った(でんぐり返った)N子のその手には、姉のどこかしらからむしり取っていったバックがしっかりとにがまれて(掴んで)いました。

どうやって一瞬にして外に出て行けたのか(?)、名探偵コナンでも呼んでこなければ到底解決しそうにありません。

 

どうやら【かやる】人達はどのような状況であってもちゃ~んと【かやる】ことになっとるようです。

 

あ、ご覧下さい。これはもう一人の【かやる】達人、我が夫です。
ついこの前のBBQ中の映像ですが、背もたれ付きでもこの有様ですから・・・

「かやらんや、かやらんや、ってか、
もう かやっとるがや」