柿市こぼれ話


平成27年4月某日、桜もすっかり散り果てて暖かくなったり寒くなったりを繰り返していた天候がようやく暖かモード一辺倒に安定したらしいです。当社の厨房でも開けっ放しの窓を塞いであった木の板を取り外し、柔らかな風が入ってくるようになりました。

さて、もうすぐゴールデンウイークですね。今年は金沢に北陸新幹線が春を連れてやって来るそうですから結構忙しくなりそうな気配はしています。観光客の方々の来店で目が回るような目にあってみたいものです。(~_~;)

今回のこぼれ話、当社食堂にご飯を食べにくる人たちについて書いてみようかなって思っています。題して【お代わり自由、でもきれいに食べてね】とでもしておきましょうか。

今現在当社食堂で朝ご飯を食べる人は最大で26人、昼が37人で夜1人というところです。ですが社員以外にも時々200円を持って食べに来る人たちがいます。

出入りの銀行員の方、保険会社の人、取引先の方、後は社長の知り合いなどです。

一番よく食べに来るのはある銀行の当社担当の方です。週に一回来社されるのですがその時は必ずと言ってよいほど食べていかれます。
「あまり何度も食べると当社の赤いジャンパーを着てもらうことになりますよ。」と脅してもニコニコと笑っていらっしゃるので脅しにはなってない模様です。

以前2回目にお昼を食べに来た佐川急便の担当の方に同じことを言ってみたら怖がってそれ以来2度と食べに来なくなりました。当社で働くということが佐川急便以上に恐ろしいことと判断されたようです。

ですが先の銀行員の方は好き嫌いなく何でも美味しいと言ってきれいに食べていかれるので社長や厨房チームにも好かれています。

ただ、中にはせっかく作ったおかずを平然と残したり、きれいに食べてなかったりする外部の方がいらっしゃるので、捨てる寸前のような素材に手をかけ掃除して使っている厨房チームにはそれが悔しいのです。

最初は私だけがキリキリしていたのだと思うのですが、長年一緒に働き、どれほど手をかけているかを知り尽くした母や義妹も今は同じように感じているらしいです。

つい先日ある外部の方が鶏のから揚げの鶏皮を残して行かれました。その皿を見て母は
「はっ?誰やこれ?」と目を吊り上げました。

 義妹はすぐに
「あの人や!」と今日ご飯を食べに来た外部の方に目星を付けました。当然です、当社社員が食べ残しなどという不埒なことをすればなぜ残したのかを徹底究明され、次回からはそのおかずは提供されなくなります。ですから食べ残しをする社員はほとんどいません。現にその日も鶏皮嫌いの人やダイエットの人は焼き魚を食べていました。

鶏皮を残した人にも最初に
「お代わり用の鉢もあるので好きなだけ食べてくださって結構です。ですが食べ残しはしないようにお願いします。」と言ってあったのにこの有様です。

しかも、その鶏皮はちょっとやそっとで食べ残せるようにはなっていないはずです。一個ずつの鶏腿肉に大きく切った鶏皮をグルグルと巻きつけていきます。一周しかしなかった場合はもう一枚巻きつけることにしています。たった一個のから揚げにそれだけ手間をかけているので強い意志を持たなければその鶏皮だけを残すという離れ業は不可能です。

たった1枚鶏皮を残した男は厨房チーム3人の強い非難の的になっています。

「そう言えばあの人、来ても私なんかに挨拶もしない。」と母が言いだしました、たった1枚鶏皮を残した男はその鶏皮のために存在自体を全否定されています。食べ物の恨みは怖いというのは本当のようです。(-_-;)

柿市商店の食堂に一番沢山外部の人が食べに来るのは当社の松茸ご飯の日です。松茸ご飯の日はご飯に手間がかかるのでおかずはほとんど目玉焼きと決まっています。これならご飯にのせて半熟の卵かけ松茸ご飯としても食べられ、相性の良い取り合わせだと私が勝手に思っているからです。

この目玉焼きの黄身をほとんど食べ残していくお客さんがいます。半熟の卵を持って行っておいて黄身を残すのは当社では許されん暴挙です。そんな人は堅焼きに焼いた目玉焼きを食べていればよいのです。必ずチョイスできるように堅焼き、半熟、ユルユルと焼き方を変えた目玉焼きが用意されているのですから。

「あの人たちの汚い食べ方を見ているとうちの会社の人たちは良くしつけられていると思うわ。」と義妹が言います。当社従業員食堂では社員にも少々(かなりか?)協力していただくことになっています。

それにしても好き嫌いを巡って今まで数々の名言が有りました。
「筍って竹やぞ!」
「レタスって草でしょう?」(一般的に野菜はみんな草です)
「肉はヒレ肉なら食べます。」
「ステーキなら食べるけど、ここの食堂の肉は食べんわ。」
「火の通っていない野菜は一切食べません。肉だけなら食べます。」
数々の社員に揉まれ揉まれてここまで来ました。(-_-;)

それでも出来るだけロスが出ないように好き嫌いのある人には代替え品を作って対処してきたのです。かなり頑張ってきましたがその頑張りが空回りしているような気もします。

そしてこの頃これで良いのかなと思うようになってきました。軍隊ではあるまいし、あまりに自由が無いのではと思うのです。ですが、一方で食べ物を粗末に扱う自由など必要ないとも思うのです。

勿論体調が悪くて食べきれない人までも責めたりはしませんよ。そんなことあんなことを乗り越えながら、残菜ゼロを目指す柿市エコ食堂は今日もヘタレ野菜に手をかけながら社員の食事を作っています。

ちなみに今朝作った椎茸の軸で作ったきんぴらは即日完売しました。常備菜が即日完売というのもちょっと・・・明日はエノキの切れっぱしで作ったナメタケが食卓にのる予定です。

 日々すったもんだしながらも柿市商店エコ食堂は毎日頑張っております。 「お客様~、どんだけ食べても良いけどきれいに食べてね。そこんとこよろしくお願いいたします。」


加賀野菜等の買い物地酒ギフトミニ知識とレシピ会社概要トップページ

〒920-0904 石川県金沢市下近江町 45番地の1 TEL.076-221-1365
E-mailto:info@kakiichi.co.jp