柿市こぼれ話


平成23年3月11日、あの震災の日から早一年です。

平成24年2月某日

今日も雪が降っています。気温も低くて「春まだ遠し」でございます。今日は私を悩ませている食べ物がらみの事柄を取り上げてみようかと思います。題して【寒い、さむ〜い話】でございます。

先日当社従業員食堂の厨房に何気に置かれたメモを見た義妹が不審に思ったらしく私に質問してきました。
「これは買い物のリストではないよね?」
「違うよ。それは私のネタ帳や。」羅列された食品は『餅・スパ・おでん・大肉団子・お好み・大根サラダ・焼きうどん・酢豚・コロッケ・キムチ・チーズ・米』です。確かに一見買出しのリストのように見えなくもありません。しかし、これは私を呆れさせた小さな出来事のリストなのです。では、1つずつ聞いていただきましょう。

『餅』

毎年新年には鏡餅を飾ります。本社と酒屋だけでも4升の餅です。他にも神棚や仏壇、かまどの神様などに小さな鏡餅を飾るので、まとめるとかなりの量です(余談ですが、金沢では鏡餅は紅白です。仏様用だけは白白の重ね餅になります。)。

2年前までは、鏡開きが終わった後ぜんざいにして振舞ったり、冷凍保存しておいて郷土料理の『じぶ煮』に入れたりして無理やり消費していました。ところが、餅を使った料理は従食向きではありません。すぐに硬くなってしまいますし、煮ればデロデロにとろけます。そこで、切り分けて、欲しいと言う従業員に分けることにしました。

問題はここです。分けると言っても欲しがる社員は何十切れも持っていってしまうのです。今年は5切れずつに分けて袋に入れておいたのですが、ある社員がテーブル上に有った餅を両腕で抱え込み、5〜6袋持っていってしまったのです。別に制限をかけていたわけではなかったので、文句を言う筋合いでもないのかもしれませんが、やりすぎではないでしょうか? 最後に餅を貰いに来た社員にあげることも出来ませんでした。

まさか1人でそんなに沢山持っていくとは思っても見ませんでした。心の中に寒い風が吹き抜けていきました。柿市恐るべし。

『スパ』

当社の社員はスパゲティ好きが多いのです。その日は『焼きそば風スパゲティ』が副菜として用意されていました。一番最後に食べに来た人が、1人だけ跳びぬけて遅く来たので、食器などは1人分だけ残して片付けられていました。でも気が付くとその人はおかずだけ食べてご飯を食べていませんでした。

片付けた義妹が声を掛けます。
「ご飯茶碗ここにありますよ。」その一言が気まずい事態を生み出しました。彼はスパゲティを沢山食べたかったのです。ご飯など必要ない。いや、むしろ邪魔だったのです。
「いや、おかずだけでいっぱいかなって…」ややあせった様子で、ヘドモドしながら言い、彼は2杯目の山盛りスパゲティを食べ。逃げるように去っていきました。

「あれぇ、やっちまったかな。」義妹は彼の邪魔をしたことにようやく気付いたようです。
「ダメだなぁイッコ。彼3杯食べたかったんじゃないの? 又、大きなお世話だって言われるよ。」以前、歯の悪い社員に鶏のから揚げの代わりに鶏の煮物を出してそう言われたことがありました。人の心って意外に伝わり難いものですね。そう言われた日も、厨房に冷たい風が吹いていました。柿市侮りがたし。

『おでん』

当社のおでんの具は大体決まっています。大根・人参・卵・竹輪・コンニャクです。最近は少しバージョンアップして、ここに半分に切った(このささやかさが泣けます)平天が追加されました。いつも翌日の朝食のためにやや多めにおかずは作っています。ところがおでんの場合卵や練り製品ばかり皆欲しがります。1人でいくつも持っていってしまうので、偏らないように気をつけて卵や練り製品は小出しにしています。

これを決定的にした出来事がありました。従業員が2人で連れ立って朝食を食べに来たのですが、鍋には卵が1個と竹輪が2本入っていました。勿論大根などはまだまだ沢山残っていました。2人で来たのだから分け合って食べると思っていたのですが、先によそった方の人が卵と竹輪2本全部取ってしまったのです。じゃあもう1人の人はどうなるの…? 彼は呆れながら大根と人参だけ食べていました。それって有り?

その日も厨房には凍えるような寒い風が吹き荒れていました。以来、当社朝食のおでん鍋には卵か練り製品は1個ずつしか入らないことになりました。沢山入れたら大変不愉快なことが起こるからです。おとろっしゃ、おとろっしゃ(あ〜怖い、怖い)…

『大肉団子』

最近はめったに作りませんが、以前たまに「大根と大肉団子の煮込み」というものを作っていました。大肉団子は普通のハンバーグほどのボリュームです。添え物として大根がついているようなおかずです。

入社して間もないある社員が
「お代わり下さい」と、言ってきました。
「ごめん、このおかずは人数分で作ってあるから、お代わり分は用意してないよ。」
「え〜っと、他はいいんで、肉だけお代わり下さい。」馬鹿か? お前の言っていることはハンバーグもう1個くれってことと同じだぞ。無いって言っているのに分かんないのか?

結局、翌朝分に用意してあった小さな肉団子をあげたのですが、彼も私たちも不満が残ったいきさつです。彼はこの後も順調に育って、恐るべき柿市社員になっております。

『大根サラダ』

ある日のお昼ご飯。主菜が『ガスエビの天ぷら』で、副菜は『大根とグレープフルーツのサラダ』でした。でも、小エビの天ぷらが苦手な人が何人かいるので、代替品として『厚揚げの煮付け』も用意してあったのです。

するとある社員が天ぷらも煮付けも両方持っていこうとしたので、義妹が
「どちらか1つだけです。」と注意すると、
「じゃあ、これ返す。」と、サラダを返品してきたと言うのです。馬鹿か? わざとか?

ダメだと言うと、煮付けのほうを持っていって、お代わり用に大皿に出してあった天ぷらを皿に山盛り2杯持っていったのだそうです。同じジャン? 彼の欲深さに厨房の室温が3℃ほど下がった模様です。

『コロッケ』

ある社員が朝食のとき従業員食堂にコロッケを持ち込んできました。市場で知り合いの方に頂いたのだそうです。何個もあったので当然他の社員にも分けてあげるのだと思った私が浅はかでした。
「他の奴に食われたらいかんから、ツバ付けておこう。」当然冗談だと思った私が浅はかでした。彼は牛のようによだれをたらしコロッケを汚染していきました。食べきれない分ぐらい人にやったらどうなのか? 私の思いは間違っていますか?

 しかし、その後私の想像をはるかに上回るおぞましいことが起こりました。そのよだれをふり掛けたコロッケを食べた社員がいたのです。知っていてです。

よだれをコロッケにかけた社員は、あり得んくらいひどいです。でも、私にとってはそれをあざ笑いながら食った社員の行動の方が寒く感じられます。寒い、寒すぎる…

まだ、焼きうどん・酢豚・お好み焼き・キムチ・チーズ・米の話が残っていますが、ただでさえ寒い日が続いているのに、どんどんお寒いことになってしまっているので、この辺で止めておきます。春よ来い来い、早く来い。いや、当社には春は来ないのかもしれませんね。

絶対零度的にお寒い会社ですけど、何か?


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