柿市こぼれ話


【今昔ディナーショー物語】

こんにちは。いつまでも寒かったいじけた春が過ぎ、はや梅雨の雨音が聞こえています。さて、今日はディナーショーについてお話しようかなと思っております。

先日わたくしと母、それに当社社長の弟と『三ちゃん農業』の三ちゃんそろい踏みみたいな顔ぶれで取引先のホテルのディナーショーに行ってまいりました。取引先にホテルが多いので、この手の催しものに参加する機会は少なくありません。

料理も、ショーもとても良く、気が付くと帰りに弟がボーカリストのCDを買っていました。『えっ?あの人ジャズなんて好きだったかしら?』一応社長なので、帰ろうとする彼にホテルのいろいろな方が挨拶してくださり、名刺交換などしているうちに、ついついジャズ好きを装って買う羽目に陥ったと私は見ました。

そこで、帰りのエレベーターに乗り込むや否や
「ちょっとあんた、そんなん買って聞くんかいね?聞かんがやったらあたしに頂戴(ちょっとあなた、そのCD買っても聞かないんじゃないの?だったら私にくださいな。)。」と、一発かましてやりました。すると思いもかけなかったのですが、一緒にエレベーターに乗り合わせていた4〜5人の方が大爆笑したのです。多分あまりに正直で直截な物言いが受けたのでしょう。

弟は
「聞くわいや!聞いてよーなかったらあんたにやるて(聞きますよ。聞いて良くなかったらあげるから。)。」と、少々恥ずかしそうに笑いながら言っていました。私、ジャズが好きだし、途中から気が付いたのですが、そのボーカリストは昔東京くんだりまでわざわざ見に行った劇団の看板女優さんでした。私こそそのCDを買うべきでした、残念!

今回のディナーショーは平和でしたが、今までには数々の笑えるエピソードがあります。ほんの少しだけ紹介しようと思います。

【ケース1】
 父母と妹私の4人でディナーショーのテーブルを囲んでいました。もう30年近く前の話です。その頃金沢で一番と言われていたそのホテルは、当社の一番のお得意さまでもありました。しかし、ディナーなどと言うものとはまったくかけ離れたところに生息していた我が家族は、かなりピリピリしておりました。
「はっ!柿市商店でございます。いつもお世話になっております。」ボーイさんが料理を運んでくるたびに、父が立ち上がり、直立不動でご挨拶します。なんか違うんではないか?いくらお得意さまとはいえ、この最敬礼は場違いであると私の本能がささやきます。しかも、家では横暴な暴力親父のくせにこのペコペコモードは何なんだ!!

さらに、厄介なことが持ち上がろうとしていました。テーブルが小さいため銀器やグラスがぎっしりと並べられており、4人のうち誰が間違えたのか、隣の人の食器を使ったらしく、父と母が喧嘩を始めました。
「か、わしのがや(これは、私のです。)。」
「何でいね、ほんなら私はどれ使えばいいげんて(どうしてよ、それじゃあ私の使う食器はどれなのよ!)!」と、まあこんな具合です。ディナーショーとは恥ずかしくもおかしきものと覚えし昔語りでございます。

【ケース2】
 何の因果か父と2人でクリスマスディナーの席についておりました。ケース2は取引先の、ある会館でのお話です。初対面のカップルと同席でしたので、緊張感はさらに高まっておりました。それでも料理はおいしく、何の落ち度も無いように強く願いながら粛々と箸を進めました(おや、洋食で箸はおかしいですよね?じゃあこの場合はフォークを進めたとすれば良いのかしらん?)。

よほどおいしかったのか父がバターのお代わりを取ろうとしました。まずい!小さな声で父をいさめました。
「だめやろお父さん。それ取ってしもたら向かいの人らのお代わりの分無くなってしもがいね(お父さん止めてください。あなたがそれを取ってしまうと、同席の方のお代わり分が無くなってしまいます。我慢してください。)。」父が残念そうにバターを睨んでいます。

折悪しく、給仕の方が側を通りかかりました。父がここぞと声をかけます。
「ボーイさん。バターを一つくれんかね(くださいますか?)?」
「お客様、バターでしたらバターケースの中にまだございますが?」
「それがあんた、娘がそれ取ったらだめやて言うがですわ。」
・・・赤面&沈黙・・・
 父はさらに私を追い詰めます。食後に小さな焼き菓子が出てきたのですが、もう使うスプーンもフォークもありません。途方にくれました。勿論父も同じこと
「こりゃ何で食べればいいがや(この菓子はどうやって食べれば良いのですか?)?」私に聞くのはお門違いと言うものでしょう。無理やりつれてきたあんたがリードすべき場面でしょう?
「知らんわいね。」軽く責任放棄してやりました。

そのとき再びいいタイミングで給仕の方が通りかかりました(今思えば挙動不審な私達親子を密かにマークしていたのかもしれません。)。
「ボーイさん、ボーイさん。ワシャな〜んも知らんもんやさけ、今日は勉強させてもらいに来とるがです。この菓子ゃ何で食べればいいがですか(私は作法も何も知らないので、今日は勉強のためにやって参りました。このお菓子はどのようにして食べればよいのでしょうか?フォークなどはもうテーブルの上に残っていないのですが?)?」
「お客様、こちらの小菓子はどうぞ手でお食べください。」
『な〜んじゃ、手づかみかい?』と、これは私の心の中の声です。なぜ父となどそんなところへ行ったのか?行ったこと自体が私のミスです。散々恥ずかしい思いをしました。でも、父が亡くなった今ではそれらのことも懐かしい笑い話です。

明日、この話をプリントアウトして古手の社員に見せてやろうと思います。きっと思い出して大笑いしてくれるでしょう。こんな話も当社の歴史の中のひとコマですね。


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