柿市こぼれ話


【哀しいチャイナドレス】

こんにちは、今日のこぼれ話はちょっと前に参加したある蔵元さんとの会合のときのお話です。

その蔵元さんから毎年1回お招きを受けて、新酒が出来上がる頃に何軒かの酒屋が集まります。お酒の話や見学がメインなのですが、そのあとに会費制の懇親会があります。そこではいろいろな銘柄の酒を蔵元が用意してくれて(こちらの方は蔵の持ち出しです)、今年のお酒の味を皆で利きます。

勿論お酒が入り、顔見知りの人が集まればそれなりに場も和みますが、根本的には真面目で硬い酒席です。私達は杜氏さんや他の酒屋さんとゆっくり話すことなどほとんどありませんので、良い機会と捉え、なるべく参加するようにしています。

その懇親会でちょっとしたハプニングがありました。今回会場が駅の近くのお店に替わったのですが、宴席に突然2人のミニのチャイナドレスを着たコンパニオンが登場したのです。
「えっ?」一瞬息を呑みました。何か会の趣旨とずれているような気がしたからです。でも、そんな風に思うのは自分が女性だからかなと、すばやくスイッチを入れ、歓迎モードに切り替えました。

しかし、どうも他の酒屋さんたちも戸惑っているようです。2人のコンパニオンもこちらの「えっ?」を敏感に感じ取ってドン引きしています。このときは気が付かなかったのですが、蔵元の人たちはこの2人を見てパニックに陥ったようです。特に店に予約を入れた営業の方は、頭から湯気を出して詰問したらしいのです。
「社長、あんたが頼んだんか?」社長に向かってあんた呼ばわりです。
「わしゃ知らん。わしゃ知らん。わしゃ頼んどらん。」
「ほんならお前か?」誰に聞いても知らぬ存ぜぬ、実は誰もコンパニオンなど頼んではいなかったのです。

どうやら予約を入れた店の女将さんが、気を利かせて準備したことのようです。どうりでしり込みするチャイナドレスに渇を入れて前に押し出していました。かわいそうなのは2人のチャイナドレスです。明らかに場違いな上に、何をすればよいのか途方にくれていました。更に哀しいことに、この2人ちっとも若くなかったのです。勿論私よりはお若い方ですが、どう見ても30代。ピラピラのスカートに哀愁が漂っています。

行き場を失ったチャイナドレスの1人が私の席の前にずっと張り付いています。
「これって何の会なんですか?なんでビールが無いんですか?こんなの初めてです。ビールの無い宴会ってあるんですか?」お酒だけは大量に用意されており、しかも何種類もあるので酌をして回ろうにもどれを持てばよいのかも分からないので困り果てています。私達の方もこの2人をどう扱えばよいのかわからないので、とりあえず反対にお酒を勧めてみました。

ところが都合の悪いことに2人とも日本酒が苦手だったようなのです。それでも行く先々で
「これを飲んでみろ。これはうまいぞ。ダメか?じゃ、これなら飲めるだろう。」と、お酒大好きな人たちに勧められるので、飲まないわけには行きません。結果、かなり辛いことになったようです。

私達が帰るとき、明らかにほっとした表情で送り出してくれましたが、ほんとにご苦労様です。さぞかし辛い宴席だったことでしょう。

それと、老婆心で言わせて頂けば、座敷にミニのチャイナドレスは合わないと思いますよ。ちょっと不都合なことになっていたようです。次のときどうしても参加したいなら、ゆるキャラの着ぐるみなんかどうでしょうか?今回より受けると思います。


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