柿市こぼれ話


【ドブって…何?】

あけましておめでとうございます。

さてさて、年も改まりまして心機一転、心持もさわやかにリスタートでございまする。今回の話は去年の暮れ…いえ、11月ごろのお話です。

いつものように妹と店番を交代するために酒屋に入っていくと、ただでさえ薄暗い店がもっと暗くなっていました。どうやら電球が1個切れてしまったようです。妹が言います。
「電気を替えてくれ。」言葉だけはかろうじてお願いですが、まったくの命令口調です。実は妹は高いところがかなり苦手らしいのです。あまり高くない場所の電球なので自分で替えようと思えば出来たのでしょうが、私に替えさせるため待っていたのでしょう。机の上に新しい電球が用意されています。

物置から小さな脚立を持ち出して、新しい電球を手に2段ばかり上りました。片手で切れた電球をクルクル回し、取り外したところまでは良かったのですが、はて?両手がふさがり、身動きが取れなくなってしまいました。
「ちょっと、これ受け取って。」すぐそばにいた妹に声をかけました。しかし、彼女は黙ったまま無視しています。私が困っているところを見る事がよほど楽しいらしく、顔はチェシャ猫みたいなニヤニヤ笑いです。

どうやら私にヤジロベエみたくなりながら、脚立を下りさせようとしているようです。ふと『すぐそばだし、投げても大丈夫かな。』と思いました。ちょっとだけ投げる練習をしてみました。突然チェシャ猫がハンニャに変貌し
「このっ、ドブ!!」と、私を一喝するとハンニャ顔のまますっ飛んできて、私の手から切れた電球をもぎ取っていきました。

『ドブって…何?』考えただけで可笑しくって手がブルブル震えます。『ドブスってことかな?』笑いながら新しい電球をソケットにねじ込もうとはしているのですが、あまりにも可笑しくって入りません。それでも続けているとなにやらパラパラと落ちてきます。私のその様子を見て妹が
「何がそんなに可笑しいんや。」と、たずねます。
「ドブって何?」
「ドブか?ドブス・ドブネズミ・ドデブなんかを表す言葉や。」おお〜、ドブとは左様にスーパーマルチな言葉だったのだ。さすがわが妹恐れ入ったぞ。したたか笑って、やっとのことで電球を取り付け、脚立から下りた頃にはハンニャも大笑いして崩れ落ちていた。

この話を聞いた母は
「あんた、それは怒るところやろ。何で笑うが?やっぱ姉妹やからやね。」と言ったが、そうだろうか?多分妹でなくっても笑えたと思う。と言うか、シャレの分かる相棒と組んで仕事が出来る幸せのようなものを感じる今日この頃ではある。

P.S.以前、私が通っている整体院で帰りがけにかけられる「オライゾ」と言う言葉の意味が分からず、気になっていると言う話を書いたことがあるのだが、ついにこの前その言葉のなぞが解明されました。

その日は珍しく見習いのような方がいらっしゃって、施術されたのはいつもの整体師の方なのですが、元気の良い挨拶だけははっきりと聞こえておりました。私が帰ろうとしたときその方がおっしゃったのです。
「お体お大事にどうぞ。」と、すると追いかけるようにいつもの
「オライゾ」が聞こえました。『だおだじにどう』オライゾです。『ああ、やっと何を言っているのかが分かった。』感慨もひとしおです。

それにしても、そんな略し方があるものなのでしょうか?世間一般的に見てそれってどうよ?アリかよ?アリなのかよ…分からん。ど〜も納得いかん。「おはようございます。」が「ち〜〜す。」の世の中では、「お体お大事にどうぞ。」がすでにオライゾ化しているのかもしれない。言葉というものは生き物のように常に変化している。それを不快に思っても、言葉が根付いてしまえば太刀打ちならん。間違った日本語など無いのかもしれない。

言葉叔父さん、どうぞ私をお導きください。なんとなく正しい方へつれてってください。もう1人では言葉の海を泳ぎきる気力がありません。おぼれそうです。


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