柿市こぼれ話


【だってタダだったから】
 今日、私が席をはずしている間に、義妹が私のパソコンのメールアドレスを取った。私になんの断りも無しにだ。食事から戻ってきた実の妹の方が
「食堂であんたのメールアドレス取る手続きしとったよ。」と聞いて
「何で?私そんなことしてくれって頼んでないけど。」
「嘘?頼まれたようなこと言ってたけどな?クソメロサで取ってくれって言われたって・・・」絶句!確かに何日か前にメールアドレスを取得しなければならないという話になって、
「じゃあクソメロサにする。子供のとき父親にそう呼ばれてたから。」とは言った。言ったけどその後に、
「メールなんかしないから、メールアドレスは要らない。」って言ったのになぜ?なぜなんの断りもなしに私のメールアドレスを取るのか?それってアリですか?世の中的に見てアリな事ですか?

 とにかく3階の食堂に戻ってみると
「メールアドレス取っといたよ。」と、義妹。
「何で?メールなんかしないから、必要ないって言ったでしょ。」
「だってタダだよ。」ちょっと自慢げに彼女が言った。そんな問題か?頼むどころか要らないからと言っておいたのに、なぜ勝手にそんなことをするのか?私にはまったく訳が分からない。しかも『クソメロサ』だ。いくら自分で言ってしまったこととはいえ、それはちょっと・・・

 金沢弁(それもかなりディープな)の分かる人なら、この言葉がかなりいけないものだということが分かるだろう。『メロ』もしくは『メロサ』は女性を表す蔑称であり、さらに『クソ』まで付いているというとてもいけない言葉なのだ。こんな呼び名を自分の娘に使用していた父のユーモアのセンスは格段に悪い。下品だ。

 ちなみに弟は『クソボウズ』と呼ばれ、妹は『クソチビ』もしくは『クソチンタベ』と、呼ばれて育った。3人の子供にどうしても『クソ』を付けて呼びたかったらしい。しかし、これではまともに育つべきものも、多少おかしくなってしまうではないか。

 話を元に戻すが、私は頭にきていた。というのも午前中に大根のサラダを作っていたとき、義妹に拍子木切りにしたハムを一枚ずつはがしてサラダに混ぜて欲しいと頼んだのに、まったく無視して混ぜくり返し、ハムをボロボロにしてしまったからだ。彼女にとっては小さなことなのは分かる。分かるが私はそんなことに異常にこだわる小さな小さな人間なのだ。

 ボロボロになったハムは私の心を打ち砕いた。危うく泣きそうになったほどだ。追い討ちをかけるように彼女のお母さんが
「わー、きれいなサラダや。」と言った。
『どこがじゃ〜〜〜』私は心の中で毒づいた。悲しくて、もう大根サラダをまともに見ることは出来ない。頼んだことはやってくれないのに、頼みもしないことは嬉々としてやる。そんな彼女に腹が立った。おもにハムの恨みだ。

 しかし、しばらくするとひどく可笑しくなってきた。いつもながらにこんなおかしな状況に追い込まれる自分がである。多分ほとんど私のせいだ。私のせいで私のメールアドレスは『クソメロサ』というとんでもないものになってしまったのだ。

 いいさ。要らないとは言ったが、メールアドレスもあったほうがいいだろう。面倒な手続きもみんなしてくれたのだ。御礼を言わなければいけないかもしれない。それにしてもあまりに頓馬な成り行きに笑いがこみ上げてくる。可笑しくて酒屋で店番をしながら1人で笑いこけていた。外から見た人は、店番のオバサンは頭がおかしいのかと思ったかもしれない。どうりでお客さんが一人も入らなかった。

 そんな訳で、私のメールアドレスは『クソメロサ』になりました。もう私にメールを送れますよ。そんな人が居るのかどうかは定かではありませんが、私にメールを送りたかった人はご連絡ください。


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