柿市こぼれ話


【好き嫌いのお話】

 今回は当社従業員の、社員食堂における食べ物の好き嫌いの話をしてみたいと思う。

 当社には社員食堂があり、社員やアルバイト、当社で働いてもらっている赤帽の人などいろいろな人たちが食べにくる。そこで問題になってくるのが食べ物の好き嫌いである。

 何しろほとんど会社の持ち出しでまかなわれており、社員以外の人からいただく一食200円のお金がわずかな支えである。そんな状態でそれぞれが嫌いなものを食べ残し、大量のロスを出していたのではやっていかれない。

 そこで、好き嫌いはかまわないが、食べ残しは許さないと言う鉄の掟が彼らを厳しく律している。まかない婦である私は、すべての喫食者の好き嫌いを把握し個人対応をしている。例えば筑前煮のとき、人参抜きが1人、椎茸抜きが1人、コンニャク抜きが1人に、人参・椎茸・鶏肉抜きが1人と言った具合である。

 大変そうに聞こえるかもしれないが、たいしたことではない。それに、誰かが何かを嫌いでも、好きな人も居るので、大概のおかずではつじつまが合うことになっている。大変なのは喫食者を見張っていなければならないことだ。気まぐれに食べたり食べなかったりする人がいるかと思えば、欲と二人連れで2人分とってしまう人も居る。それを全部チェックして厳しく監督することはかなり大変だ。

 それにしても、つくづく思うのだが『好き嫌いには道理の通ったものは無い』ものである。ある社員は言う「俺、卵アレルギーなんすよ。生卵食べると蕁麻疹出るんです。生でなければ大丈夫なんすけど。」そんなアレルギーは無い。本当にアレルギーなら硬かろうが軟らかかろうが関係なく蕁麻疹なり、アナフィラキシーなり起こすはずだ。

 またある社員は「私肉が食べられないのよ。ステーキだったら食べれるんだけど、豚コマなんかはちょっとねー・・・」それは好き嫌いというよりワガママかもしれない。

 もう辞めた人だが肉の脂身が嫌いで、お好み焼きの中から肉を引っ張り出し、脂身だけ全部捨てていった人が居る。そこまでやるかの世界だ。その方、野菜は真ん中のまっすぐなところしか認められないようだった。おでんの大根が尻尾の方だと言って手もつけずに捨てたり、豆類も少しでも細いところは几帳面に残してあった。

 思えばいろんな人が居た。
「肉はヒレ肉しか食べません。」自宅で食べてください。
「加熱した野菜は一切食べません。魚も嫌です。汁物?要りません。えっ?混ぜご飯?僕はご飯は白ご飯しか食べませんよ。肉ならどれだけでも食べれるんだけどな。困ったな、ここでは僕の食べれるものほとんど無いな・・・」よそで食べてください。
「筍って竹やろ?竹なんて人間の食うもんじゃねえ。」他の人間は食ってるけどな。
「魚が嫌いなわけじゃないんです。骨のある魚が嫌いなんです。」骨の無い魚を持ってきてください。
「おにぎりの海苔が、噛み切れない。イカ食ったら歯が折れた。フライの衣が硬すぎるエトセトラ・エトセトラ・・・」歯の治療をしたほうが良いと思います。

 すべての人が私を苦しめる。しかも、この状況は一定ではない。数年前まで大嫌いだったはずのおかずを、今はお代わりして食っている人がいる。彼曰く
「俺も年取ったてことやろう。」

食べ物の好き嫌い侮りがたし。


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