柿市こぼれ話


【酒屋の景品その2】

酒屋の景品その2

 以前にも当店の景品について書いてみたのだが、つい先日ふと景品のかごを見るとまたまた凄いことになっていた。そこで今回は写真付きで紹介してみたくなった。

  実は前のこぼれ話に載せた後、反対に景品として使ってくれといろいろな品を持ち込んでくる人がいるのだ。主に義妹なのだが、面白がっているのか持ってくる品がかなりハイレベルなのだ。

  例えば、キシリッシュガムの小さなボトルにぎっしり詰まったガムの包み紙。ガム自体は食ってしまって無い。紙だけ。……どうすんの? 彼女によるとメモ紙として使うとのことだが、だったら自宅で使ってくれよという感じ。だって、ガムだと思ったお客様が開けてみてがっかりした挙句「これって何なんですか?」って必ず聞くのだ。そのたびに蚤の心臓の私は切なくなる。私だけではなく一緒に店番をしている実の妹の方もいたたまれなくなって、とうとうかごの後ろにほとんど見えないように隠してしまった。時々シャレの通じそうなお客様がいらっしゃると、冗談半分薦めてみたりしている。

 それから、黒と赤の漆塗りのひょうたん。大体このひょうたんと言うものをどうすればよいのか? 実用的な使い道は無く、ただの飾り物だったらしいのだが、欲しい人が居る物なのか? はなはだ疑問だったがとにかく置いてみた。時々手に取るお客様がいらっしゃると「気に入りましたか?」と聞いてみる。するとお客様はうっかり熱いやかんに触ってしまったかのようにあわててひょうたんを放り出し「いえ、別に。ただ何なのだろうかと思って見てみただけです。」などと言いつつ2歩ほど後ずさりしたりする。そんなことが二度三度あった挙句、欲しいとおっしゃるお客様がいらっしゃってもらわれていった。ああ、捨てる神あれば拾う神あり。

 義妹が持ってきたものではないが、今このかごの中で異彩を放っているのは二個のダルマボトルだ。一つには鯉の滝登り、もう一個は牡丹?と孔雀の絵が金彩で描きこまれており、どうだと言わんばかりに自己主張している。誰がもらっていってくれるのだろう? ずっとここに居座るのかな? 心配だ。

 かごの中の鴨の形をしたかごも景品なのだが、その鴨の首にだらしなくぶら下げられているのはキャンペーンで頂いた小さく折りたためる袋なのだ。見た目ほどひどくないのだが、この見本が逆パンチを食らわすらしく、今のところ貰い手がない。

 そうそう、秋祭りのくじ引きで頂いた手作りの手提げ袋もなかなかだ。一緒に居た叔母が「なんやこれ?数珠入れか?」と言いながら私の手にグイと押し付けた。そういえはキラキラ感がそんな感じか? 裏まで付けていい仕事しているのだがなぜこの生地にしたのだろうか? 理解に苦しむ。

 その他にも竹とんぼ、ペッツの空き容器、使い古しのようなカバン、どっから持ってきたのかというような湯のみ、潰して不細工顔を楽しむ小さなゴム人形などとある意味粒ぞろいだ。

 それにしても、このようにくだらない景品でもいつかは誰かが持っていくものだ。それどころか時に凄いお客様がいらっしゃる場合がある。
「あっ、私は3,000円以上買ったのだから2×3で6個頂けるわけね。」そんなことはどこにも書いていない。
「でもそういう計算になるでしょう?」どういう計算だ? もちろんかごの中身は全部持っていかれてもまったく惜しくない。惜しくはないが、その心根が嫌だ。だからあげない。あげないと言ってみるが、そんなお客さんは引くことを知らない。たいてい自分の思い通りにしてしまう。えーい、持ってけ!ペッツの空き容器も、使い古しのカバンも、何ならその目の取れた鴨のかごごと持ってってしまえ。

 心の中で毒づきながら引きつった笑顔で大量の景品を包まされている私であった。


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