柿市こぼれ話


【先代社長の逸話】
当社『柿市商店』の歴史を語るうえで外すことの出来ないのが先代の社長、故・柿本雅雄氏であろう。雅雄氏は当社の発展に多大なる功績を残した、それは誰もが認める事実である。しかし、またかなりユニークな人物であったことも確かである。今回はその先代社長の逸話を紹介しよう。

エピソード1 柿市君にお代わり
雅雄氏は会社の中では誰もが恐れる『ガミガミ親父』だったが、いったん外に出ると異常に腰の低い商売人のかがみのような人だった。
あるとき得意先の会合に招かれて、苦手な洋食を食べていると、あろうことかイカ墨のスパゲティなどと言うものが出てきた。
『なんじゃこれは?』スパゲティすらほとんど食べないのにイカ墨とは…しかしここでは食べないわけには行かない。何しろすぐそばに得意先のお偉いさんが座ってござる。雅雄氏は無理に口の中にイカ墨スパをねじ込み、飲み下した。そしてお偉いさんにお世辞のつもりで声を掛けた。「いやあこれはおいしゅうございますね。なんというものでございますか?」「おお、柿市君気に入ってくれたかね?」「はい、おいしゅうございました。」「おい、柿市君にお代わり。」すぐさま柿市君の前に大盛りのイカ墨スパゲティが差し出された…「ぐう…」と言って食べたか、食べなかったか、そのあたりは定かではない。

エピソード2 走りあいっこ
雅雄氏は無類の体力自慢。しかも大変な負けず嫌いであった。自分ひとりで体を鍛えるぶんにはなんら問題はない。問題なのは社員をまきぞえにすることだった。
昼過ぎ、昼食も終わり、仕事もひと段落すると「さあいこうか。」と、強引に社員を連れ出し、トラックの荷台にぶち込んで「向かい山」(正式名称「卯辰山」)まで連行する。そして「走りあいっこ」が始まる。自分はそれなりのランニングウエアに着替えているが、社員は着の身着のまま。嫌もおうもなく走らされる。ある者は近道をしようとして足を折り、ある者は車酔いで嘔吐する。まったくはた迷惑な社長である。雅雄氏一人が「お前らだらしがないな。」と、ひとりごちる。そのころ走らされていた社員たちは現在60歳前後。今はもう遠い昔の話である。

エピソード3 宝くじ
雅雄氏は毎回宝くじを買っていた。当たったことはない。
彼の口癖は「買わなきゃ当たりっこない。」と、「宝くじが当たったら、社員のみんなをハワイに連れて行く。」だった。冗談だとばかり思っていたが、かなり本気で入れ込んでいたらしく、多いときには一回30万円分も買っていたらしい。もちろん奥様には内緒である。それでも結局一円も当たったことはないらしい。普通10枚に一枚は300円ほど当たるらしいのだが、何しろ新聞の発表の三等ぐらいまでしか見ちゃいない。いつもがっくしうなだれて小さく「当たらんもんじゃ。」とつぶやいていた。
雅雄氏が亡くなって、会社が掛けていた生命保険が降りた。雅雄氏の供養にと、そのお金で始めての海外慰安旅行が実施された。南無釈迦無二佛、南無釈迦無二佛…
しかし、どうなんだろうか?雅雄氏が宝くじにつぎ込んでいたそのお金で、多分2回は海外旅行にいけたような気がするのだが…まあ、彼個人のお金ではあるし、どうでも良いことかもしれないが…

思い返してみると、先代社長のころは当社の規模も小さく、まったく家族的な商店であったものである。今もさほど大きくなったわけでもないが、会社内の雰囲気はかなり違ってきている。その善し悪しは別として、確かに商店と言うレッテルはそぐわなくなってきている。どこへ行くのか柿市商店、お前の行き先教えておくれ。


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